コロナ的なこともあるが、諸事情により当分まとまった時間がとれなくなりそうで、ふと思い立ち旅立ちを決めた。
いつもは誰にも相談せず、ろくに下調べもしないまま気分で行き先を決めてしまうくらいいい加減だが、連日の豪雨の影響もまだ残るかと思い今回は何人かに相談、そんな中でもたまたまタイミングが合い、嬉しいことに釣りもご一緒出来る方が見つかったのは幸運だ。
初めての同船を控え気持ちは昂っていた。
歳こそ私の方が上だがルアービルディングの大先輩で、取引先でもある堀田さんとの同船。
初同船でいつもならガチガチに緊張する筈が(笑)、気さくで話し上手、聞き上手な堀田さんの柔らかい雰囲気に終始和ませて貰った。
出船から長らく反応がなく、ようやく掛けた魚をお互いにバラしてしまい嫌な流れだったが、間もなくして堀田さんの"プロトタイプ"が消し込まれ浮かんできた魚体を見てそんな空気は軽々と吹き飛んだ。
本当に綺麗で素晴らしいコンディションのランカー、朝から一日中炎天下の中で反応が薄くても、ひたすらストイックに魚を探す姿が印象的だった、そんな姿に感動して、そして、バッテリーが上がった…(笑)。
パドルが短くて漕いでも漕いでもたいして進まず何度心が折れそうになったことか(笑)。
「バラしから始まり何かが締まらないですね、パズルの最後のピースが足りないような…(笑)。」と堀田さん。
二人とも汗だくでエントリー場所に戻りバッテリーを交換、あとはどうにか私が釣って足りない最後のピースを埋めなければ…。
背中に圧をひしひしと感じながら(笑)、大抵こういう時は釣れないのがお決まりなんだよなぁ…なんて思いながらも(笑)、どうにか堀田さんに釣らせていただいた。
サイズやコンディションよりも初同船で二人とも心から喜び合えたのはこの魚のおかげ、正に"心に残る一匹"と言える魚だ。
その後、堀田さんの地元に戻り食事をして宿をとった、ちなみに味仙の辛さには撃沈…やっぱり締まらない(笑)。
翌日は琵琶湖に戻り釣りをしようか迷ったが、ずっと行きたかった美術館に立ち寄ったり心の洗濯ということで自分なりに充実した旅になった。
帰路の高速道路で無意識に釣りのことを思い出していた、そう言えば結局今回もネイマに助けられたが幾つか持っていった"プロトタイプ"で一本とりたかったなと。
時計に目をやるとギリギリ地元で釣りが出来る、往生際悪く寄り道を決め15:30芦ノ湖着、16:00に出船。
模様の濃い、綺麗な魚だ、どうにか旅の終わりに最後のピースが埋まった。
帰宅してタックルを片付けながら余韻に浸る、それにしても素晴らしい旅で、何より素晴らしい釣り師に出会えたことが全てだ。
こうした経験でまた釣りがどんどん面白くなってくる、今回は一つターニングポイントとなる実りある旅だった。