lamia

'drawing follow the feeling'

クルマに揺られて

f:id:lamialure:20220505203352j:image陸王1200側車付き、陸王750RT-2型、インディアンチーフ、インディアンfour、メグロ…子どもの頃、庭を見渡すと錆び付いたエンジンやフレーム、オートバイとも分からないような鉄の塊が溢れていた。

クルマも同じく、イスパノスイザ、ブガッティ、ベントレーダットサン1000…昆虫や恐竜ではなくクラシックカー図鑑で私は育てられた、父親の旧車沼はとてつもなく深かった(笑)。

お金持ちだったという訳では決してなく、家は古くぼろぼろでいつも作業着を着ていた父親、全ての情熱を旧車に注いでしまったんだと思う、私の場合、情熱のベクトルは旧車ではなくプラグ作りだがDNAを受け継いでしまった私には、今となれば父親の気持ちが良くわかる。

まんまと影響を受け、若い頃はバイクもクルマもあれこれ乗ったものだ、先日実家に帰ったときベンツの"w114"のホィールキャップが出てきてそんなことを思い出した。

バンドでお金が無くて仕事も上手くいかず、いつしかクルマは軽自動車になり、ただの交通手段になった。

バンドをやめてからは持て余した情熱を釣りに注ぎ込むようになり、安い中古の軽自動車に無理矢理フローターを積み込み、地図にある池という池を赤ペンで塗り潰しながら山奥を巡った。

二度目のスタックをキッカケに乗り換えたジムニーは二台乗り継いだ、ジムニー好きはどの年式が好きか本当に分かれるところだが、なんだかんだでジムニーと言えば、やはり"JB23"が馴染みがあり私は好きだ。

f:id:lamialure:20220505202423j:image気付けばとことん釣りにのめり込んで、いつしかライフワークとなっていた。

幸運にも、ずっと探していた憧れのジョンボートをタカさんに譲ってもらい、自分の年齢的にもこれから先十年が一番釣りの想い出を深めることが出来るタイミングだろうと思い久々の愛車探しを始めた。

アクアラインで止まってしまっては困るし、年に数回の遠征にも耐え、何よりジョンボートを積んだ姿が様になるクルマを探していた。

お洒落には疎いし、妙に斜に構えて人と違うクルマで通ぶるのも柄じゃない、雰囲気ばかりでなく定番で部品もあってジョンボートが似合うクルマを探すうち、幾つかあった候補の中から"240"に狙いを定め、土色のジョンボートを積んだときのマッチングを考え、水辺や空を連想させるブルーの車体を探していた。

年式にもこだわったのでなかなか希望の車体に巡り合えず、足掛け五年で購入したクルマだ。

乗り始めはあちこち故障したが、一年経ってようやく馴染んできたところ、外装も自分でコツコツやったりして少しは綺麗になったかな。

親父は70年代以降の乗り物なんてヴィンテージでも旧車でもなんでもないとよく言っていたので、"相変わらずセンスねぇな"と鼻先で笑われるかと思ったていたが、初めて240で実家に帰ったとき、"こういうクルマに乗らなきゃ駄目だ、兄ぃちゃん褒めてやる"と頭をなでなでされ(笑)、白髪で真っ白で妖怪みたいになった親父のニッコリした顔を見てなんだかとても嬉しかったな。

こんなご時世にひたすら向かないクルマだけど親父も褒めてくれたし、それだけでこのクルマを選んで良かったな、今後ともご機嫌よろしくいい相棒でいておくれ。

 

釣りとは無関係なコラムにお付き合いいただきありがとうございました。