ウィードエリアで試したかったのは開発を続けているライトカバー対応のプラグの最終チェック。
回避性能を優先すればフッキングが悪くなり、フッキングを優先すれば回避性能が落ちる…そんなジレンマを抱えながらベストなバランスをずっと模索していた。
ウィードの奥にキャスト…やや強めにアクションさせてくるとウィードが派手に割れプラグが消えた。
しっかりあわせを入れ、うまくウィードから引きずり出したが有り得ない程に”DISTILL”を何度も絞り込む。朝一のバラしが頭をよぎったが上顎にガッチリ掛かったフックを見てトルクのあるファイトを楽しむことができた。
毎回プラグ作りでは”本当にこれでいいのか、もっと良いプラグにならないか”とリリース直前まで自問自答を繰り返す。
その答えは実際リリースしてからでないとわからない部分も多いがリリースをする前の最後の決め手はやはり釣果に委ねられる。今回長いことトライアンドエラーを繰り返してきたプラグの最終チェックをこのような形で終えることができ、一つの答えに確信を持つことができたのは大きな収穫だ。
ロクマルには届かなかったが、自分のこれまでの琵琶湖釣行の中でも最も心に残る一匹と出会えた瞬間だった。
箸休めにしょうもない余談だが関東にはない”味付のり”のツナマヨが好きでたまらない…、この日は3つ食べて、お土産に4つ買って帰った(笑)。
なんてシュールなツナマヨ画像…(笑)。
ちなみに宿を取っていない時の昼寝はいつも車内ではなく、安くて個室があり横になれる漫画喫茶などでしっかり取るようにしている、この日も休息を取りシャワーも浴びて服を着替え車に乗り込んだ。
午後も風は強かったので風裏になるエリアを攻める、長らく反応はなかったがこのエリアで最後まで居座ることに決めた。
不意に視線を上げると空に再び虹がかかっていて
”さっきは虹が出てすぐにグッドサイズが釣れたから、もう一度出るかもしれないね”
なんて冗談を交しながら、今度はその虹を写真に収めることができた。
私は釣りたいプラグを押し通す性格、最後は”naima”をメインに。
次第に光量も落ち夕まづめの様相を見せる、不思議と風が弱まった瞬間があり、ここぞとばかりに”naima”を葦側に落としてポーズ…そしてポッピングからまたポーズ…更にそこからターンを数回繰り返すと”naima”が吸い込まれた。
初めはサイズがわからなかったがある程度寄せてくるとこれまたグッドサイズだとわかった、フックの掛かりを確認するとテールフック一本のみ…。
船ベリで最後の抵抗を見せ、ジャンプされた時はバレてしまうかギリギリのところで気が気でなかったが、下顎を掴み再び喜びを噛みしめることができた。
先の魚よりコンディションは劣るが少しだけ長さはあった、だが残念ながらまたもロクマルには僅かに及ばず…それでも私の拙いプラグに襲いかかってくれて本当にありがとう。
帰着すると風は止んで穏やかな湖面を見せてくれた。
友人は三度のチャンスをモノに出来なかったが、それでも”今日はいい魚を見せてくれてありがとう”と笑顔で握手。
翌日には”来月リベンジに付き合ってね”とのメッセージが届いたのは言うまでもない(笑)。
次回作のお披露目はまだしばらく先のつもりだったが、プラグにモザイクを入れたりするのはなんだか気が引けたのでそのままアップさせていただいた。
アップした以上は現在手掛けているプロダクトを仕上げながら最後の微調整を行い、分納でもいいから今季のうちにリリースを目指していくつもりだ。
多忙を極め、製作も思うように捗らず苦しくもあるが、私の情熱を注いで作る”わがままなプラグ”をどうぞ楽しみにしていただければ幸いです。
ずいぶん長くなってしまったが最後までお付き合いいただきありがとうございました。