本来なら6月にはリリース予定だった"Spinner tail leaf"が2ヶ月遅れでようやくリリース出来る運びとなった。
遅れた理由は幾つかあるが一番は塗装設備の不調…今まで塗装で頭を抱えることは殆どなくて、根気のいる木工や下地づくりに比べて自分の内面を自由に表現出来る塗装作業は最も楽しみな工程だったが、一年ほど前から塗装不良が出るようになり特に今回は酷い有り様だった。
原因を一つ一つ潰していき設備のほぼ全てを刷新、レベリングに気を遣い塗り方も様々試行錯誤した。
楽しかった塗装作業がこんなにも苦しくなるなんて思いもしなかったが、考えてみれば今まで問題なかったことの方が逆にラッキーだし、こういう失敗があったからまた成長出来たんだ…と不良になった20数個のプラグを見ながら自分に言い聞かせているところだ…(苦笑)。
いつまで経っても勉強は尽きないが、だからこそ…寧ろそれこそが面白さでもあるんじゃないかと思うのだけど。
初回リリースが余りに少なくて、あちこちにご迷惑をお掛けしてしまったこともあり、今回は後期分納分ということでのリリースとなる。
アクションに関しては基本、私としては自由に使って自分なりのアクションを見つけて欲しいというスタンスなのだが、先日のインスタライブ後のDMでユーザーさんから"leaf"シリーズは巻きで使う人が殆ど…というご意見を聞いて、少し自分なりの使い方を説明した方がいいかなと思ったので書かせていただこうと思う。
そもそも論だがなぜ水面でのプラグアクションに拘るのかというとバスフィッシングにおいて、それが最も"エキサイティング"だと感じるからだ。
ただ、そう感じたのは実はだいぶ経ってからで、初めは単純にプラグがカッコよかったり、先輩たちのライフスタイルから釣り方まで全てに拘りを持つ姿が只々カッコ良く見えて真似しようと思っただけなのが正直なところだ。
それでも釣りを続けるうちに、いつしか歳をとって少しずつ見えてきた本当の楽しさ、愛艇をクルマの上に載せ高速を走り、ようやく見えてきた薄暗い湖面に船を浮かべ拘りのタックルで狙ったポイントへのキャスティングを楽しむ、時には弱ったベイトフィッシュのように、時には虫のように…イメージを膨らませながらプラグを操りバイトを誘い、魚がかかったら経験と技術をフルに使っての真剣勝負。
未だに自分の未熟さを思い知らされることの方が多いが、全てをクリアしてようやく掴んだ下顎には力が入り、たった一匹でこんなにも笑顔になれる素晴らしい体験にただただ感動して、この一匹に辿り着くまでの全ての浪漫に浸る。
だいぶ話は逸れたが(笑)、つまりはリトリーブだけでは折角の楽しみの大半がなくなってしまうのではないかなと思う。
"Spinner tail leaf"はフラットボディにしてはキャスタビリティは悪くない筈だ、水を押す面積とキャスト時に邪魔し過ぎないバランスを追求し更にテールを絞って空気抵抗を抑えている。
着水からターン…ターンは正直に言って"leaf"に分があるが竿先をちょこんと煽って頭を突っ込ませてヘコヘコさせたり強弱をつけダイブからの浮上が最も効果的だ。
意図的に巻きで使うことは無いが、回収時のバイトも多いから、そこはやはり有効なのかも知れない、朝一の少し霧がかった穏やかな水面、少し張り出した岬の駆け上がりの奥目にキャストしてからジャラジャラと音を立てながらのリトリーブは浪漫が溢れているから良しとしよう(笑)、ちなみにリトリーブ速度によっては、プロペラの揚力でボディが回転側に傾くことがあるが、そこはそう言った仕様なので悪しからず。
カラーは悩み抜いた二色展開、ただ凝っていればいいという訳ではないが今回はとにかくアク強めでコテコテのカラーにしてみた、リアルさとプラグらしさを上手く共存させ、いかにバランス良く調和出来るかが課題だった…ナチュラルなグリーン系、視認性も良いイエロー系、どちらに軍配が上がるかは非常に気になるところだ。
という訳で本当に長らくお待たせしてしまった今作、今のブランクが無くなれば当分作ることはないと断言できるので是非買えるうちに手に取って欲しい。
2022年、暗いニュースも多い昨今ではあるが夏から秋に掛けて"lamia"のフラッグシップ、"Spinner tail leaf"でバスフィッシングを大いに楽しんでいただければ幸いです。