ヒグラシの鳴き声が好きだ。
そこはかとなく切なくなる不思議な鳴き声、でも決して嫌な切なさではなく、さながら夏の終わりのハーモニーのようで心に響いてくる。
ヒグラシは秋の季語にもなっているが、実は七月には成虫になって元気に飛び回るそうだ、先日、そんなヒグラシが飛び回る水辺まで足を伸ばしてきた。
私のクルマでの初めての旅にしようと思っていたが、どうにも調子が悪いので今回も友人のプラドのお世話になった、私のクルマとは対極だが現行車にしては落ち着いた佇まいで雰囲気のあるクルマだなと思う、いつかこんなクルマが似合うダンディな大人になりたいものだ(笑)。
道中は快適この上なく相変わらずのくだらない話しで盛り上がっている内に無事到着できた。
そう言えば、プラドのラゲッジに船外機を積み込む際に指をがっつり挟んでしまい爪が内出血…この時から少し嫌な予感はしていた(笑)。
今回のタックルはスロー&ステディL6に5500Dの組み合わせ、バタバタとボートに荷物を積み込み夜明けと共に出船。
そして開始早々にバイト…そして直ぐまたバイト…。
ショートバイト気味なのか掛かる感じの無いバイトが何度も続いた、流れ込みでは激しいバイトがあったが何故か乗らない、結局朝の一ラウンドだけで30オーバーという脅威のバイト数だったが結局魚を手に出来ないまま時間だけが過ぎていく。
反応はまだ続いていたが、ぶっ通しで走ってきたのでひとまず上がり仮眠を取ろうとということになり、戻りしな最後にここだけ…と流したストレッチでこのところ絶好調の友人が遂に待望の一匹。
レンタルした"fanett"にて。
笑顔をみて嬉しさが伝わるだろう、本当にようやくの一匹、残り二ラウンドに期待しながら二人とも倒れ込むように眠った。
午後からは朝と違う方向に船を進める作戦、バイトは減るが一発が期待出来る、引き続き出切らないバイトが時よりある感じだが、やはりキャッチには至らない、夕まづめに期待を膨らませながら釣り進む。
徐々に日が傾きヒグラシが一層強く鳴き始めた…そして唐突に"fanett"が消し込まれる。
激しくロッドを絞り込むが何だかおかしい、やっぱりか…直ぐにため息に変わる、上がってきたのはまあまあサイズのナマズ君(涙)。
それからはナマズの猛攻、日暮れまでにまあまあサイズのナマズを4匹連続で仕留め腕がパンパンになった…(苦笑)。
翌朝、どうにか一本出たものの希望の魚には遠く、更に五匹目のナマズでビンゴを決めて帰路に着いた(苦笑)。
長くなってしまったので幾つかあった細かい災難を書くのは控えるが気に入っていた偏向サングラスを失くしてしまったことが残念でならない、過去に二度落としても何故か手元に戻ってくる不思議な縁だったがとうとう見つからなかった…そう言えば、撤収の際に船外機でまた指を挟んだっけ(苦笑)。
実際、釣果で言えば良い旅ばかりでは無いし、むしろ大外しの方が多いのが正直なところだ、それでも何回痛い目にあっても旅にはまた行きたくなってしまう浪漫がある。
そして様々な場所で自分のプラグを浮かべることで得るものは多い、そうした経験がプラグ作りに活きてくると信じ、それを都合の良い口実にして、また旅に出ようと思う。